2009年02月26日
穏やかなけんか
2009年2月26日
このままいなくなってしまうのかと心配した流氷が戻っています。

夕焼けが辺りを染め
その美しさに寒さを忘れて見入っていると
氷の上にオオワシと、離れたところにオジロワシのつがいを見つけました。
ねぐらに帰るまでのわずかの時間を
この美しい空間に身をおいているワシたち…
なんてうっとりと見ていると、オオワシが低空飛行で移動を始めました。
氷の割れ目にいたカモやカモメの仲間が慌てて飛び立ちます。
オオワシの目指したものは、オジロワシたちが食べていた獲物でした。
オジロワシは、近づくオオワシを一度威嚇しただけで
すぐに獲物を明け渡してしまったようです。
オオワシが夢中で食べている様子を
すぐ近くでオジロワシたちが見守っています。

時々、オジロワシが奪い返しに近づきますが
オオワシが圧倒的に強いようです。
力の差が歴然なのか、大物同士、無駄に争わないのか、
お互いの翼を広げあう姿が数回見えるだけ。
オオワシはひたすら食べ続けていました。
どのようにこの穏やかなけんかが終わるのか見届けたかったのですが
-7℃の中、30分以上じっとしているのは少々難しく…
寒さに負けて、私は退散しました。
ワシたちはもうしばらく、この静かな戦いを続けているようでした。
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