知床の森のガイド ゆらり

晴れて清々しい空気。
青い空と残雪の山、
秋撒き小麦の緑と新芽のカラマツ。
これぞ５月。ようやく…　

暑い日が続いていて、
今までの遅れを取り戻すように
緑がどんどん濃くなっています。

一昨日はサクラだったのに、
今日はサクラは散って、新緑に衣替え。


もうちょっと、ゆっくりでもいいんだけどな…

岩尾別の谷に花咲かじいさんが来ました。

今年はものすごく遅いのだと思っていましたが、
一昨年の様子と比べると、数日の遅れでしかないようです。

暑い日が続いていますので、
植物たちは次々と目覚めるでしょう。

大雪と寒さでなかなかサクラが咲きませんでしたが
ようやくぼつぼつと開花し始めました。


気付けば、もうすぐ６月なんですね…

美しい知床五湖　　（五湖）

静かな森にゆったりヒグマ　

ゆっくり、ゆっくり、知床の時間。

三湖で現れた青空の色は
鏡になった湖面と合わさって
不思議な色の空間が大きく広がっていました。


次々と咲き始めたミズバショウ　

知床を少し離れるだけで、
季節は春に切り替わりつつあると
様々なお花が教えてくれます。
　　

海の向こうに知床半島　

濃霧に包まれた知床五湖　

フリースやレインジャケットなどを何枚も重ねて
真っ白な湖岸を歩きます。

時折、霧が動いて景色が変わると
思わず歓声をあげてしまいます。

静かで厳かな雰囲気の知床五湖です。

なかなか暖かくならない知床を出て、
日当たりの良い斜面のある山へ出かけました。

山菜がたくさん出る所なのですが、
いつもナイフや袋を忘れてしまうので眺めるだけでしたが、
今日は張り切っていざ出陣。

例年よりもやはり遅い芽吹きのようですが、
食べ頃の芽があちこちに！
あまりにたくさんあるので吟味してから・・などと
思っていたのですが、
美味しく食べられる量は限られてるよねと思い直し、
ギョウジャニンニクとこごみをいくつかいただいてきました。

他にも
オオアマドコロ、エゾニワトコ、エゾエンゴサク、ニリンソウ・・
本当にきりがありません。
もう少し近ければ何度でも足を運ぶのに・・

遅い春を、欲張りな気持ちで楽しんできました。

道路の除雪は済んでいるものの
登山口から山盛りの雪が待っていた藻琴山。

予想をはるかに上回る積雪量に怖気づき、
ぶつぶつ独り言で自分を励ましながら
濃霧の雪斜面をひたすら前進。

山頂は…　
予想を裏切らず、まっしろ。

下り始めると間もなく雨が降り出し、
雪面はぐずぐずに緩んで一歩一歩が深みにはまります。
もう逃げるように、
斜面を駆け下りました。

夏道は完全に雪の中。
ハイマツが立ち上がりつつありますが、
冬季と同じように、
ほぼ直登で稜線に出ることができます。


（おまけ）
芝桜公園は、これから。
ようやくほんの少しだけ
ピンク色が始まっていました。

雪景色と低い気温のせいで
５月だという実感がなかなか湧きませんが
シカたちは例年通り
古い角を落として
新しい季節を過ごしていました。
　（耳の手前に盛り上がり始めた角が）

少しずつ雪解けが進んでいますが、
まだまだ真っ白な知床五湖。
看板も雪に隠れています。（四湖）　
　（二湖）

それでも　
再び顔を出し始めたミズバショウは
日に日に数を増しています。

大型連休中の大雪とその後の低温続きで
なかなか冬景色から解放されない知床五湖。
明日からの利用に合わせて
遊歩道整備をしました。

　(橋の雪庇を落とす)

(霧の三湖)　

しばらくは雪の上を歩く散策となりそうです。
スノーシューを履いて、
幻想的な冬の雰囲気を味わいます。

相変わらず雪深い知床の森。
生き物たちの暮らしの跡がよく残ります。
　(スノーシューの跡の上にクマの足跡)

人間の痕跡が少なくなるにつれて、
動物たちのものが目立つようになります。
　(シカが掘り返した跡)
　(親子グマが斜面を降りて行く)

数日分の跡が残っているので
とても密度の濃い場所だということを
一層強く感じます。

一面の雪は暦を勘違いさせますが、
冬の間は無かったカモメの声や観光船にハッとさせられます。


春はすぐそこで　
こっそり隠れているだけなのだと。

4月下旬に大型連休に入ってから、
そういえば太陽を見ていません。

寒い日が続き、降雪も連日。
湿った雪に、森はすっぽりと包まれています。

今日は知床五湖へ続く道路が
積雪のため通行止めになってしまいました。
そのせいでしょうか。
フレペの滝の散策路は
滑りやすい足元にも関わらず、
次から次へと人が歩いて来ます。

私たちが歩いた奥の森でも
スノーシューを履いて冬の格好をした人間に
たくさん出会いました。

にわかに賑やかになった森。
降りだした雪に隠れはじめたクマの足跡は、
彼らが私たちを避けて行動したことを教えてくれます。

対照的なのは、シカ。
相変わらずのんびりと木の皮を食べていました。